インタビュー : 2012

コフィ・キングストンインタビュー

WWEスマックダウン・ワールドツアー2012が8月9日、10日の2夜連続で行われた。WWEモバイルは、公演初日では重要なオープニング・マッチ出場を務め、2日目ではダニエル・ブライアンを相手に20分を超す熱闘を繰り広げた、現WWEタッグ王者コフィ・キングストンに取材を敢行。コフィはこの世界に入ったきっかけから、将来の目標まで本当に紳士的に語ってくれた。

インタビュアーこの世界(スポーツエンターテインメント)に入ろうと思ったきっかけは何でしょうか?

コフィ(以下、K)物心がついた頃からレスリングファンでした。子どもの頃はバックス・バニーの人形で、あらゆる技の練習をしたものです。
ショーン・マイケルズ、ジ・アンダーテイカー、ブレット・ハートなどを見て、彼らのようになりたいと思っていました。毎週、弟と一緒に土曜日朝のWWE番組を見ていたものです。
僕達兄弟は、子どもの頃に"なりたいと思ったら、必ずなれるよ"と言われていたので、僕はWWEスーパースターになりたかった、と。

インタビュアーWWEを目指すことになったきっかけは何でしょうか?

K.目指すようになったきっかけですか?おかしな話に聞こえるかもしれませんね。
僕が番組を見ていた当時はWWEはもちろん、WCWやいろんな団体の番組が放送されていたわけですが、僕はいつもWWEにこだわっていました。WCWを見ようとすら思わなかったのです。
しかし、その内に"月曜視聴率戦争"が始まって、級友達が学校でWCWやnWoのことを話題にし始めて、"ちょっとばかり見てみるか"という気になりました。見てみたら、確かにかなり面白かった。
でも、僕は生まれてこのかた、ずっとWWEが好きだったのです。(WWEは)僕がずっと入りたかった団体です。最高の団体ですよ。最高のパフォーマー、キャラクターが活躍していましたからね。

インタビュアー特に触発された番組、スーパースター、試合はありましたか?

K.やはり、マンデー・ナイトRawになりますね。それからショットガン、サタデー・モーニング・スーパースターズも。要するに土曜日午前中のWWE番組を見て育ったわけです。
マンデー・ナイトRawは中学生から高校生にかけて見ていました。遊び仲間の内でレスリングが好きだったのは僕だけでしたが、高校に入った頃にザ・ロックやストーン・コールドがブレイクすると、みんなが流行に飛び乗るように見始めました。
でも、僕はずっと前からハマって見ていましたからね。正直なところ"これは… WWEは… もともとはオレだけのモノなんだぞ"って気分でしたね。ほかのみんなは流行に飛び乗ったようなものでした。それでも、いいと思いましたよ。日曜日に友人の家で集まって、一緒にPPV大会を見たりするのは最高でしたし、楽しかったです。

インタビュアーあなたの持ち味は並外れた跳躍力だと思いますが、どうやってあれほど高く跳べるようになったのでしょうか?特訓した成果ですか、それとも天性のものですか?

K.正直なところ、生まれ持ってのものだと思います。跳べるようになるための練習の類は本当にやったことがなかったですから。
ある夏、僕は(バスケットボールの)スラムダンクをこなせるようになりたくて仕方がなかった時がありました。そういえば、アレを持っていたんだ。何と呼ばれていたでしょうか… 靴底にこんなの(恐らく樹脂製のバネのような器具がついたジャンプシューズ)がついた靴で… それを使ってあれこれ練習してみようとしたのですが、うまくいきませんでした。何の役にも立ちませんでした。
ところが、ある日、それも突然のことでした。僕の学校のそばの公園… いや、自宅の近くの公園でした。夏になると友人とその公園で遊んだものですが、そのたびに跳躍しながら、バスケットゴールのリムの部分に触ってやろうとしたものでした。そして、ある日、ありったけの力で跳んだ時、指先がほんの少し、リムに触れたんです。
本当に嬉しくて、2面のバスケットコートを駆けまわりながら喜んだものでした。駆け回りながら、"やった!とうとう触った!"と。それから、いつでも本当に高く跳べるようになったのです。

インタビュアー個人的にあなたのキャリアの中では、とりわけ2009年でのランディ・オートンとの抗争が強く印象に残っているのですが、現在までのどの辺りがあなたご自身のキャリアのハイライトだと感じますか?

K.僕のキャリアのハイライトですか… いくつかありました。ひとつに絞るのは難しいですね。まず、クリス・ジェリコを相手に初めてインターコンチネンタル王座を獲ったのは、ほかに代えがたいほど素晴らしいことでした。なぜならば、さっきも話しましたが、僕はずっとWWEファンで、ショーン・マイケルズやリッキー・スティムボートをはじめとする歴代インターコンチネンタル王者達が好きでしたからね。実際にその王座を勝ち獲ったということは、僕にとって信じられないほどの出来事でした。

インタビュアー"夢が叶った"どころの騒ぎではなかった、と。

K.まさに、そんな感じでしたね。ええ、やはり、今までで最高の瞬間は、初めてのインターコンチネンタル王座獲得だったと言えます。それ以外ではレッスルマニア、それも最初にレッスルマニアに出場した時です。
先ほども言いましたが、バックス・バニーの人形を使って"WWEごっこ"をやっていたわけですが、その時の舞台はいつもレッスルマニアでした。
それから(レッスルマニアで行われた)マネー・イン・ザ・バンク・ラダー・マッチでは、誰かに殴られてリングの外に落ちた時があったのですが、その時に会場のタイタントロン(場内に設けられる巨大スクリーン)を見上げました。言ってみれば、リングサイドのフロア上は会場で最高の座席位置ですよね?
そこで座り込んで、ただ試合を眺めたわけですが、その時にふと、"(自分が)レッスルマニアに出ているんだ。ついにやったんだ!"と思ってしまいました。ともかく、今まで色んなハイライトがあったと思いますよ。

インタビュアーパートナーのR-トゥルースは、リトル・ジミーのお世話で忙くて来られなかったのでしょうか…

K.ああ、リトル・ジミーはビザが取れませんでしたね。 会社側は書類の作りようがなくて… ええ、ですからトゥルースが面倒を見るために残りました(笑)。

インタビュアーそのR-トゥルースとあなたの相性ですが、いかがでしょうか?

K.最高です。彼と一緒に人生最高の時期を謳歌していると思います。彼と一緒に取材を受ける時は、本当に笑いが絶えないほどですから。
皆さんもお気づきだと思いますが、僕らがリングの上で戦っている時も、楽しんでいるように見えるでしょう。本当にそうなんですよ。

インタビュアーJR(WWE殿堂入りした実況のジム・ロス)の言葉を引用すると"潤滑油たっぷりの機械のように噛み合っている"と?

K.ええ、まさにそれですよ。それに、彼からは多くのことを学んでます。僕らのスタイルは"弾けんばかり"と言うべきなものでしょう。本当にうまくやれています。

インタビュアー現在、あなた達はタッグ王者ですが、アフリカン系アメリカ人のタッグ・チームでは、WWE殿堂入りしたトニー・アトラス & ロッキー・ジョンソンやハーレム・ヒート(ブッカーT&スティービー・レイ)に比肩しうる存在になれると思いますか?

K.ええ、そうなれるように頑張っています。タッグ王座には長い、たくさんの歴史がありますが、アフリカ系アメリカ人のチームが王座に就くというのは、そう簡単に起こりうるものではありません。
ですから、僕達はその貴重な歴史の生き証人であることを自覚していますし、ハーレム・ヒートのような王者チームと同じレベルになれるように努めているところです。
これから数年の内にそうなれたら… いや、彼らは本当にすごすぎましたからね。彼らの半分でも追いつきたいものです。いずれにしても、僕達は素晴らしいキャリアを歩むと思っています。

インタビュアー今後ではプライムタイム・プレイヤーズと王座をめぐる抗争が激化するのは必至だと思われますが、彼らについての印象は?

K.まず、間違いなく抗争に入っていくと思います。ザ・プライムタイム・プレイヤーズは新進気鋭の、本当に動ける若手2人で、しかも語りもイケてます。
語りといえば、とくに彼らのマネージャー、AWが抜群でしょう。あの男は、いつも必ず何かを投げつけてくるんですよ。僕は上着や靴を投げつけられたことがあります。あれって子どもがやりそうな行動でしょう?まるで、僕の妹みたいですよ。妹はよく靴を投げたりしたものです。大の男であるAWがそんな行為をするというのは、まったく情けないですよね。
しかし、同時に、彼らのタッグ王座に賭ける意気込みというか、ハングリーな姿勢は尊敬に値すると思います。そして、王座を保持する僕らは、どんな相手からの勝負も受けなければならないわけです。
こうした状況を楽しんでいるわけですが、同時に、悪口を言い合っています。彼らはツイッターをつかってまで挑発してきますからね。彼らは、ツイッターでもやりあってますよ。
ですから、ファンの皆さんは楽しく見てくれているでしょうね。ファンの皆さんは、AWが嫌いで僕らを気に入ってくれているのは間違いないでしょうから。
皆さんが感情移入をしながら楽しんで見てもらえる状況にあると思います。

インタビュアー将来は、もちろんWWE王座か世界王座に就くのが目標でしょうが、現在の目標と将来の抱負を教えていただけるでしょうか。

K.近い将来での目標は、まずは最高のタッグ王者組になるべく努めることですね。僕の記憶が正しければ、ザ・ミズ & ジョン・モリソンが誰よりも長くタッグ王座を保持していたと思います。それでも、そうですね… まずは最高のタッグ王者という目標に達するべく、やるべきことをやり、僕らが持っている技量を示していきます。
思うに、僕らはまだ実力のごく一部しか示していないと思います。ファンの皆さんは、僕が僕らなりのスタイルで、リングの上で何を彼らに見せるかに期待してくれていると思いますが、僕らはかなりたくさんのアイデアを溜め込んでいて、それらを実行しようと思っていますし、皆さんに披露できることを楽しみにしています。

インタビュアー得意技で特に自信があるのは、どの技でしょうか?

K.そうですね… 僕の持ち技は、それぞれが連続的につながりを持っています。
たとえば、フィニッシュへ持っていく場合では、まずブーン・ドロップから始まります。この技を知らない人のために言っておくと、仰向けにダウンした相手の腹部めがけて落とす、ダブル・レッグドロップのことです。しかし、これって、つまるところは普通のレッグドロップなので、"ひとヒネり効かせるにはどうしよう?"と考えたのです。
それで、レッグドロップを落とす寸前で肩を揺らし、"ブーン!ブーン!"と叫ぶようにしたのですが、今では皆さんが一緒に叫んでくれますね。

インタビュアーピープルズ・エルボーのような位置づけですね?

K.ええ、ピープルズ・エルボーのようなものです。まさに、そうです。それから"サンダー・クラップス(空を切るように手を叩く、例の仕草)"に移るのです。
対戦相手にとっては"フィニッシュをやられる合図"になるので、嫌なものでしょうね。しかし、僕にとっては、まさに最高の時なわけです。勝ちを悟ったという合図ですからね。
そして、フィニッシュ技のトラブル・イン・パラダイスできめるのです。これはスピニング・ラウンドハウス・キックなわけですけど、これが僕の一番のお気に入りの一発だと言えます。
たいていの場合、これを叩き込めば勝つわけですから。トラブル・イン・パラダイスこそ、お気に入りと言えますね。

インタビュアーリングの外での、日常生活における趣味は何でしょうか?

K.リングを下りてから何をやっているか… 実は大した趣味がないんです。自宅に帰るとノンビリしています。映画やTVドラマのシリーズものをたくさん見ます。 最近ではHBO(アメリカのケーブルTV局)でやっている"ゲーム・オブ・スローンズ"にハマっていますよ。よくできたドラマです。
それからビデオゲームをかなりやりますね。ビデオゲームのメッカ、日本のファンならば僕がビデオゲームを得意としている、"ビデオゲーム・キング"であることを知っていると思いますが、実際に空港に着いた時に、"ビデオゲーム・キング"と描かれたサインボードを見かけました。
実際に、僕はWWEで最強のゲーマーなんですよ。とりわけ、シェルトン・ベンジャミンが退団してからはそうです。彼はすごくうまかったのですが、彼はもういませんからね。もっとも、競争はそれほど激しくありませんから。とにかく、ゲームは本当によくやりますよ。
それから、もちろんワークアウト(筋トレ)はやっています。しょっちゅうやっていますが、僕にとっては、体を鍛えるには自宅が最高の場所です。遠征中での筋トレは自宅でやるよりもずっとつらいからです。
趣味と言えば、こんなところでしょうか。あと、マンガも読みます。ええ。テレビ、ゲーム、筋トレといったところです。

インタビュアーゲーム機は、アメリカではやはりXボックスですか?

K.PS3とWii2でも遊びますよ。Wiiも持っていますが、最近はほとんど使っていませんね…。

インタビュアー日本のオーディエンスについて、どう思われましたか?

K.彼らは… 実際に、昨日(公演初日)が日本で初めて試合に出場した時でしたが、ファンの多くは私が初めて日本に来たことを知っていたでしょう。日本で試合に出場することは、僕にとってWWEに入団してからずっと目標にしてきたことの1つでした。
なんといっても、自分が子どもの頃にWWEを見ていた時、大勢の日本人レスラーが活躍していたじゃないですか。彼らをテレビで見て、そして最近ではインターネットの動画でニュージャパンやオールジャパンなど、彼らのあらゆる試合を見ていますよ。そういう映像を見ていたら、観客の反応がアメリカのそれと違うじゃないですか。だから日本に来て試合に参加したかったのです。
あとは、日本は由緒あるプロ・レスリングの歴史がありますよね。それを考えただけで、自分が日本で試合をできるということにゾクゾクしました。いつか、絶対に実現したいと思っていたので、昨日そのチャンスが訪れたのは本当に嬉しかったです。信じられない感覚でしたね。
日本のファンの皆さんは、僕らがやっていることに対して敬意をもって見てくれていることがわかりましたから。遠征メンバーの一員となり、日本での試合を経験したことは、僕にとって夢が叶ったようなものです。日本のファンの皆さんのサポートには本当に感謝しています。

インタビュアー日本人プロレスラーで誰かをご存知でしょうか?ご存知であれば、誰が好きですか?

K.ええ、知っていますよ。WWEを見ながら育ったと言いましたよね?当時では、TAKAみちのくが最高でした。彼が見せていた、本当に高く跳ぶ技には本当に影響されました。僕の持ち味も跳躍系の動きですからね。
それから、MVPが日本で活躍しているのも見ました。それから、棚橋弘至選手は素晴らしいですね。彼の試合を見るのは大好きですよ。(日本のプロ・レスリングの)どんな試合でも、見るのは大好きです。日本のプロ・レスリングの大ファンですよ。

インタビュアー最後に、日本のWWEファンにメッセージをお願いします。

K.そうですね、まずは僕が日本で試合ができるようにサポートしてくださったファンの皆さんに、ありがとうございますと言いたいです。皆さんは、日本で試合をするという僕の夢を叶えさせてくれたのですから。
日本のファンはすごいですよ。みんな、ホテルのロビーで僕らをひと目見ようと待ってくれているんですもの。そして、僕らを見かけると、とても興奮してくれました。
僕らは空港に着くと一旦、ホテルに寄って昼食だけを済ませて会場入りしたのですが、大勢のファンは僕らが乗ったバスを空港から追いかけてきてくれました。それってすごいことだと思います。どれほど僕らのことが好きか、ひしひしと伝わってきました。
日本に来ることができて、皆さんに受け入れられて、そして皆さんが僕らのやることを本当に気に入ってくれているということがわかりました。それから、公演を支えるスタッフの皆さんにも感謝しています。
僕個人から、そしてWWEの一員として、日本の皆さんに感謝します。

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